エンディングプランナー・小池 中(あたる)です。
お別れの会を開催することが決まったとき、多くの方がまず戸惑うのが案内状の文面です。
「葬儀の通知とは違うはずだけれど、どんな書き方が正解なのかわからない」
「社外に送る場合と、親しい友人に送る場合で文面を変えるべき?」
そんなご相談は、プランナーとして日々いただいています。
案内状は参列者がその会に初めて触れる場面です。文面ひとつで「来てよかった」という期待感が生まれるか、「よくわからないからどうしようかな」という戸惑いが生まれるかが変わります。テンプレートをそのままコピーするだけでなく、何を書くべきかの考え方も知っていただけると、より自分の言葉で書けるようになります。
この記事では、エンディングプランナーとして多くのお別れの会の案内状作成に携わってきた経験をもとに、社外・社内・親族向けの文例テンプレートと、返信はがき・返信メールの書き方をまとめてご紹介します。
目次
案内状の文面は相手や状況によって変わりますが、「伝えるべき基本情報」は共通しています。この5つが揃っていれば、参列者が会に出席するための判断と準備ができます。
|
項目 |
内容・記載例 |
|
①開催日時 |
○年○月○日(○)午後○時〜 ※受付開始時刻と開式時刻を別記するとより親切です |
|
②会場 |
会場名・住所・アクセス(最寄り駅から徒歩○分) |
|
③故人の情報 |
氏名(享年・俗名)、他界日、他界の年齢。すでに家族葬を終えている旨も記載します |
|
④主催者情報 |
主催者名・連絡先。主催は法人、家族、友人、同僚によって書き方が変わります |
|
⑤出欠の回答方法 |
返信はがき同封/メールアドレス・URLを記載。回答期限を明示します |
書かないほうがよい情報
案内状でよくある「余計な情報」として、香典・供花・弔電の可否を書き忘れるケースがあります。案内状には必ず明記してください。「香典・供花は拝辞申し上げます」と書かない場合、参列者が迷って問い合わせが殺到することがあります。
逆に詳細なタイムスケジュール(「13時30分開式、13時32分黙祷……」)は案内状には不要です。当日の進行はプランナーが管理するため、「当日のプログラムにつきましては会場でご案内いたします」と一言添えるだけで十分です。細かすぎる情報は、かえって参列者に「準備が必要なの?」と余計な不安を与えることがあります。

案内状の文体は、宛先によって変える必要があります。社外(取引先・関係者)・社内(会社の社員・部門)・親族や親しい友人では、それぞれ適切な敬語レベルとトーンが異なります。
故人が企業経営者や役職者だった場合、取引先や業界関係者への案内状はもっともフォーマルな文体が求められます。
ポイントは3つです。ひとつ目は「家族葬を終えた後の会」であることを明示すること。参会者が「なぜ葬儀に呼ばれなかったのか」と感じないよう、「去る○月○日に近親者のみにて家族葬を執り行いました」という一文を必ず入れましょう。
ふたつ目は故人の肩書きを正式名称で記載すること。
三つ目は、弔意の表現として「御香典・御供花・弔電は拝辞申し上げます」を明記し、会費制の場合はその旨と金額を案内することです。
社内向けは、社外ほどの格式張った文体は必要ありませんが、公式な通知としての体裁は保ちます。人事部や総務部が発信する場合はより正式な文体、上司や有志が案内する場合はやや温かみのある文体が自然です。
社内の場合は「業務上の配慮」として、有給取得や半日休暇の利用についての記載が求められることもあります。ただしこれは会社の慣習によるため、人事部門と事前にすり合わせることをおすすめします。
親族や故人と親しかった友人への案内状は、かしこまりすぎず、温かみのある文体が合います。「故人が生前に親しくしていただいた皆様に、気軽にお集まりいただければ」という主旨が伝わる文面にしましょう。
また、「平服でお越しください」という服装についての案内を入れると、参列者が準備しやすくなります。服装の詳細が気になる方は、別記事「お別れの会・偲ぶ会の服装マナー」もあわせてご参照ください。

以下は、宛先別に実際の文面として使えるテンプレートです。【 】内はご自身の情報に置き換えてお使いください。
|
謹啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
先般、【故人氏名】(享年)は【他界年月日】に永眠いたしました。 葬儀は去る【葬儀年月日】、近親者のみにて家族葬として執り行いましたが、 故人と生前にご交誼をいただいた皆様に改めてお別れのご挨拶を申し上げたく、 下記のとおりお別れの会を開催する運びとなりました。 ご多忙のところ誠に恐縮ではございますが、ご参列いただけますと幸甚に存じます。
敬具
記
日 時:【開催年月日(曜日)】 受付 【受付開始時刻】 開式 【開式時刻】 会 場:【会場名】 〒【郵便番号】 【住所】 【最寄り駅】より徒歩【分数】分
服 装:平服にてお越しください 会 費:【会費金額】円(当日受付にてお支払いください) ※御香典・御供花・弔電は拝辞申し上げます
出欠のご回答:【返信期限】までに同封のはがきにてご返信ください
主催者:【主催者名・連絡先】
以上 |
|
各位
【部署名・発信者名】
【故人氏名】氏 お別れの会のご案内
先般、【故人氏名】(【故人の肩書き・関係性】)は【他界年月日】に永眠されました。 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
葬儀はご遺族のご意向により家族葬として執り行われましたが、 有志一同にて下記のとおりお別れの会を開催することといたしました。 故人を偲ぶ場にぜひお集まりください。
日 時:【開催年月日(曜日)】 【受付時刻】〜【終了予定時刻】 会 場:【会場名・住所】 服 装:平服でお越しください 会 費:【金額】円(当日受付にてお受けします) ※ご香典・ご供花は拝辞申し上げます
出欠のご連絡:【回答期限】までに【担当者名・メールアドレス】にご連絡ください
ご不明な点は【担当者名・連絡先】までお気軽にお問い合わせください。 |
|
【受取人の名前】様
【故人氏名】さんのことを覚えていてくださっている皆さんへ、 改めてお別れの場を設けたいと思い、ご連絡いたします。
【故人氏名】は【他界年月日】に亡くなりました。 葬儀は家族だけで静かに見送りましたが、 生前に親しくしてくださった皆さんと一緒に思い出を語り合いたいと思っています。
日 時:【開催年月日(曜日)】 【時間】〜 場 所:【会場名・住所】 服 装:平服でお越しください(普段着で大丈夫です) 会 費:【金額】円 ※香典・お花はご遠慮ください
参加のお返事:【返信期限】までに【連絡先】にご連絡いただけますと助かります。
気軽にお声がけいただける場にしたいと思っていますので、 ぜひいらしてください。
【主催者名】 |
案内状には、出欠を確認するための返信手段を必ず同封・記載します。返信はがき、メール、Webフォームの3つが主な手段です。それぞれの文例と使い分けを解説します。

返信はがきは、出席・欠席のチェック欄と、メッセージ欄を設けるのが一般的です。以下のような構成が使いやすいです。
|
【表面:宛先】 〒○○○-○○○○ 【住所】 【主催者名】 行
【裏面:返信欄】 ○年○月○日までにご投函ください
出席・欠席 (いずれかに○をつけてください)
御出席 ・ 御欠席
お名前:_____________
御連絡先(メールアドレスまたはお電話): _________________
ご伝言・遺族へのメッセージ(任意): _________________ _________________ |
「ご伝言・遺族へのメッセージ」の欄を設けることをとくにおすすめしています。参会者がひと言でも書いてくれた言葉を、遺族が後から読み返すことで、大切な支えになるからです。ネクストページでは、こうしたメッセージを当日のメモリアルコーナーに展示するお手伝いもしています。
近年は返信はがきを使わず、メールやGoogleフォームなどのWebフォームで出欠を確認するケースが増えています。準備の手間が省ける反面、高齢の参列者にはハードルが高い場合もあります。対象者の年齢層に合わせて選択されることをおすすめします。
メールで案内状を送る場合の件名は、「【お別れの会のご案内】○○様を偲ぶ会について」のように、件名を見ただけで内容がわかる形にしてください。本文は、紙の案内状と同じ内容をそのまま貼り付ける形で問題ありません。
|
手段 |
メリット |
注意点 |
|
返信はがき同封 |
格式が高い。高齢の方にも対応しやすい |
印刷・郵送コストがかかる。回収に時間がかかる |
|
メール返信 |
手軽で速い。コストゼロ |
高齢者には不向き。見落とされるリスクがある |
|
Webフォーム |
集計が楽。回答ログが自動で残る |
URLを伝えるひと手間が必要。高齢者には不向き |
「案内状はいつ出せばよいですか?」というご質問も多いです。早すぎても参列者の予定が立たず、遅すぎると準備に間に合いません。タイミングと発送方法の基本をお伝えします。
|
開催規模 |
案内状発送の目安 |
出欠回答の締め切り |
|
小規模(50名以下) |
開催の3〜4週間前 |
開催の1〜2週間前 |
|
中規模(50〜100名) |
開催の4〜6週間前 |
開催の2週間前 |
|
大規模(100名以上) |
開催の6〜8週間前 |
開催の3週間前 |
お別れの会の開催決定から案内状発送まで、実務的には2〜3週間の準備期間が必要です。案内先のリストアップ、文面作成、印刷・封入・発送と、作業は思ったより多いです。プランナーに依頼した場合、案内状の作成・発送は事務局業務として代行できます。「リストを渡すだけでOK」にしていただくことが可能です。
社外向けのフォーマルな案内状は、白の封筒(洋封筒または和封筒)に白か淡色の便箋を合わせます。封緘シール(のり)は黒または白を使用し、セロテープは使わないのがマナーです。
切手は普通切手でも構いませんが、弔事用切手(弔事用の花柄など)を使用するとより丁寧な印象になります。親族や友人向けのカジュアルな案内であれば、封筒や切手の格式にこだわる必要はありません。
「拝辞します」とだけ書くと、参列者によっては「では何も持ってこなくていいの?」と迷ってしまいます。辞退する場合は、理由(たとえば「故人の遺志により」「家族の意向により」)を添えると、参会者が納得しやすくなります。
以下のような一文を案内状に入れると丁寧です。
|
誠に勝手ながら、故人の遺志によりお香典・御供花・御弔電は拝辞申し上げます。 ご厚志のお気持ちのみありがたくお受けいたします。 |
香典・供花の辞退については、別記事「香典・供花・弔電のマナーまとめ」でより詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
会費制のお別れの会では、案内状に会費の金額と支払い方法を必ず明記してください。「受付にて当日お支払いいただく形」が一般的ですが、銀行振込を希望する場合は口座情報も記載します。
金額が複数設定されている場合(例:食事あり・なしで金額が異なる)は、選択肢をシンプルに示してください。複雑すぎると参列者が混乱します。
|
会費について ・お食事をご希望の方:15,000円~ ・式典のみご参列の方:5,000円~
当日受付にてお支払いください。 |
お別れの会の案内状は、「5つの基本情報」を押さえ、宛先に合った文体で書くことが基本です。社外向けはフォーマルに、社内や友人向けは温かみを持たせた文面が合います。
返信手段の準備(はがき・メール・フォーム)と発送タイミングも重要です。大規模な会の場合は、開催の6〜8週間前には案内状を発送できるよう逆算して準備を進めましょう。
案内状の文面作成から宛名印刷・発送まで、ネクストページでは事務局業務として一括サポートしています。「案内先のリストを渡すだけで、あとはおまかせ」にしていただくことが可能です。文面に迷われている段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。
▶ 無料相談・お問い合わせはこちら
▶ お別れの会・偲ぶ会の費用・服装・準備など全知識まとめはこちら
社外への正式な案内状は手書きが丁寧とされていますが、送付先が多い場合は印刷で問題ありません。毛筆や筆ペンを使う必要はなく、ボールペンやプリンターで印字した宛名でも失礼にはあたりません。ただし、特に親しい方や年配の方には手書きで添えた一言があると印象が変わります。
近年はメールでの案内状も一般的になっており、とくに社内や友人向けでは違和感がありません。ただし、社外の取引先や年配のご親族には、郵送の紙の案内状が無難です。相手の年齢層や関係性に合わせてご判断ください。
速やかに変更の案内をお送りしてください。メールや電話で連絡を取れる方には直接ご連絡し、郵送のみの方には変更案内のはがきをお送りします。変更内容は「日時変更のご案内」と件名・件目に明示し、旧日時と新日時を並べて記載すると伝わりやすいです。
開催の10〜14日前を出欠回答の締め切りにすることをおすすめします。料理・会場のキャンセルポリシーに合わせて逆算し、締め切りから料理確定・会場への最終人数報告ができるスケジュールを組むことが重要です。締め切り日の2〜3日前にリマインドの連絡を送ると、回答率が上がります。
ネクストページでは、案内状の文面作成から宛名印刷・発送管理・出欠確認まで、事務局業務として一括でお引き受けしています。「案内先リストをお渡しいただければ、あとはおまかせ」にしていただけます。文面に迷われている段階でもご相談いただけますので、まずは無料相談をご利用ください。

小池 中(Ataru Koike)|エンディングプランナー
家族葬後の「お別れの会」「偲ぶ会」専門のエンディングプランナー。これまで多数の開催相談・実務サポートに携わり、ホテル開催・レストラン開催・社葬形式まで幅広い事例を経験。
「葬儀の延長ではなく、人生の締めくくりの場を設計する」を理念に、費用相場・服装マナー・進行設計など、実務に基づく具体的な判断基準を発信している。
▶ 会社概要・詳細プロフィール
https://www.nextpage.co.jp/corporate/
弊社の実績豊富なフェアウェルプランナーが親切丁寧にお応えいたします。
費用の概算、おすすめの会場、開催の時期、プログラム、お別れの会・偲ぶ会・社葬の違い…など