「お別れの会・偲ぶ会を主催することになったが、自分は何を着ればいいのか」──多くの主催者が最初に悩まれるポイントです。
葬儀とは違い、お別れの会・偲ぶ会の主催者の服装には、決まった正解がありません。むしろ、喪服で臨むのはNGというのが、プロの現場で定着しつつあるルールです。
このページでは、年間多数のお別れの会をプロデュースしてきた専門プランナーが、主催者の服装を「立場別・性別・季節別」に具体的に解説します。参会者向けの服装ガイドは別途ご用意していますので、参会者側の服装ガイドをご覧ください。
目次
主催者の服装で最も大切な3つのルール
| ルール | なぜ必要か |
|---|---|
| ① 喪服は避ける | 葬儀ではなく「故人を偲ぶ場」。喪服は参会者に「まだ悲しみの中にいる」という印象を与える |
| ② 黒いネクタイ・帯は避ける | 同上。主催者が明るく迎えることで、参会者が話しかけやすくなる |
| ③ 明るめ・落ち着いた色合いの平服で | 和やかな雰囲気を作るため。参会者に「救われた」と感じてもらえる |
葬儀から日が経ち、主催者も周囲も落ち着いたタイミングで開催するのがお別れの会・偲ぶ会です。主催者自らが明るく振る舞うことで、会全体の雰囲気が決まります。
主催者の立場別|服装の正解
主催者の立場によって、選ぶべき服装は変わります。それぞれの立場での「正解」を解説します。
① 遺族(配偶者・子ども)が主催する場合
| 男性 | 女性 | |
|---|---|---|
| 基本 | ダークスーツ(紺・チャコールグレー) | ワンピース・アンサンブル(紺・グレー・ベージュ) |
| シャツ・ブラウス | 白またはオフホワイト | 薄いピンク・ベージュ・オフホワイト |
| ネクタイ・小物 | 落ち着いた色柄(黒・派手色は避ける) | パールのネックレス・イヤリングまで |
| 靴 | 黒または濃茶の革靴 | ヒール3〜5cm程度のパンプス |
② 法人・団体が主催する場合(社葬・お別れの会)
社葬やお別れの会を法人が主催する場合、主催者側の経営層・幹部の服装は「準喪服」が基本です。これは一般葬に近いフォーマルさが求められるためです。
| 男性(役員・幹部) | 女性(役員・幹部) | |
|---|---|---|
| 基本 | ブラックスーツ(準喪服) | 黒のワンピース・アンサンブル(準喪服) |
| シャツ | 白の無地 | 黒のインナー |
| ネクタイ | 黒無地 | ─ |
| 小物 | 黒の靴・靴下・ベルト | パールの一連ネックレス、黒のパンプス |
ただし、社葬でも「お別れの会」形式を採る場合は、事前に運営事務局と服装指定を擦り合わせておきましょう。
③ 友人・発起人が主催する場合
遺族に代わって友人・発起人が偲ぶ会を主催する場合は、遺族主催と同じ平服が基本です。発起人が喪服で登壇すると、会場の雰囲気が重くなります。

性別・アイテム別の具体ガイド
男性主催者の服装チェックリスト
- スーツ:紺・チャコールグレー・ダークブラウンが推奨。ブラックスーツも可(ただし法人主催以外は避ける)
- シャツ:白・オフホワイト・薄いブルー。柄物は避ける
- ネクタイ:ネイビー・グレー・シルバー・深緑など落ち着いた色。黒は避ける
- 靴:黒または濃茶の革靴(ストレートチップが最もフォーマル)
- 靴下:スーツと同系色の濃い色
- 時計・アクセサリー:シンプルなもの。派手なものは避ける
女性主催者の服装チェックリスト
- ワンピース・アンサンブル:紺・グレー・ベージュ・モーヴ(くすんだ紫)
- スカート丈:膝丈〜膝下(ミニ丈は避ける)
- ブラウス:控えめな色合い。胸元の開きすぎに注意
- ストッキング:肌色または薄いグレー
- 靴:ヒール3〜5cmのパンプス(黒・濃紺)
- アクセサリー:パールの一連ネックレスとイヤリングまで。2連・3連は「不幸が重なる」とされるため避ける
- メイク:ナチュラルに。濃いアイシャドウや派手なリップは避ける
- 髪型:長い髪はまとめる。華美なヘアアクセサリーは避ける
季節別の服装アレンジ
| 季節 | 男性 | 女性 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 春(3-5月) | ウール混のダークスーツ | ワンピース+薄手ジャケット | 花粉対策は控えめに |
| 夏(6-8月) | 夏物素材のスーツ・半袖シャツはNG | 半袖ワンピース可(肩は出さない) | ジャケット脱着OKの会場か確認 |
| 秋(9-11月) | 標準的なスーツ | ワンピース・アンサンブル | 深みのある色合いが季節に合う |
| 冬(12-2月) | コートは黒・紺・グレー | コートは黒・紺・グレー | 毛皮・革のコートは避ける |
主催者がよくやってしまうNGパターン
NG①:全身真っ黒の喪服で臨む
最も多いのがこれです。「葬儀ではないのだから喪服は不要」とプロはお伝えしていますが、「それでも心配だから」と喪服を着てしまう方がいらっしゃいます。参会者が戸惑う原因になります。
NG②:黒ネクタイ・黒の長ネクタイ(女性の帯も)
喪服でなくても、ネクタイや帯だけ黒だと葬儀のイメージが強く残ります。ネクタイは紺・グレー・深緑などを選びましょう。
NG③:カジュアルすぎる平服
「平服=普段着」ではありません。ジーンズ・Tシャツ・スニーカーは論外です。「通勤着」や「取引先への訪問着」が平服の正しい定義です。
→ 平服の詳しい定義は:「平服でお越しください」とは?
NG④:派手すぎる色柄
明るい色がOKとはいえ、ビビッドなピンクや花柄全面のワンピースは場違いです。「控えめな明るさ」を意識してください。
NG⑤:ご遺族よりも目立つ服装
友人・発起人が主催する場合、ご遺族よりも華美な服装は避けます。「主催者はご遺族を立てる」が原則です。

「主催者の服装で参会者がホッとする」という効果
参会者は、主催者がさぞかし悲しみに暮れて落胆しているだろう、と予想して会場に来られます。そこで主催者が明るめの服装で迎えると、参会者は「あぁ、もう落ち着いていらっしゃるんだな」と安心され、話しかけやすくなります。
参会者から「故人のこんなエピソードがあって…」という思い出話を引き出せるのは、和やかな雰囲気があってこそ。主催者の服装は、実はこの「場の空気づくり」の起点なのです。
よくある質問
Q. 案内状に「平服でお越しください」と書くべきですか?
記載することを強くおすすめします。主催者が平服で、参会者に指定がないと、参会者が喪服を着てしまい、会全体が重い雰囲気になります。「平服でお越しください」と明記しましょう。
Q. 主催者の家族(子どもなど)の服装はどうすればよいですか?
主催者本人と同じ扱いです。大人は平服、お子さんは制服または紺・グレー系の落ち着いた服装が基本です。
Q. 真夏に開催する場合、ノーネクタイでも大丈夫ですか?
主催者の立場によります。遺族・友人発起人が主催する場合はノーネクタイでも問題ありません。法人主催の場合は、あらかじめ「クールビズ可」と案内する形が一般的です。
Q. 和装で主催してもよいですか?
もちろん可能です。女性の場合、地色が紺・グレー・茶系の落ち着いた色目の訪問着や色無地が適しています。帯は黒以外を選びましょう。
Q. 妊娠中で通常の平服が着られません。どうすればよいですか?
マタニティ用のワンピース・アンサンブル(紺・グレー系)で問題ありません。体調を最優先に、無理のない服装を選んでください。
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著者プロフィール

小池 中(Ataru Koike)|エンディングプランナー
家族葬後の「お別れの会」「偲ぶ会」専門のエンディングプランナー。これまで多数の開催相談・実務サポートに携わり、スライドショー制作・メモリアルコーナー設置・演出設計まで幅広い事例を経験。
「葬儀の延長ではなく、締めくくりの場を設計する」を理念に、演出・進行・費用相場など実務に基づく具体的な判断基準を発信している。
▶ 会社概要・詳細プロフィール
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