お別れの会・偲ぶ会の案内状に書かれた「平服でお越しください」。この一言に戸惑う方は少なくありません。
結論からお伝えすると、「平服=普段着」ではありません。お別れの会における平服とは、喪服ほど堅くない「略礼装」のことです。
このページでは、年間多数のお別れの会をプロデュースしてきた専門プランナーの視点から、平服の正しい意味と考え方を解説します。
男女別の具体的なコーディネートも、本記事の後半で詳しく解説しています。
案内状に記載される「平服」とは、通勤や取引先を訪問する際の服装とお考えください。弔事における「略礼装」にあたります。
つまり、Tシャツにジーンズのような普段着ではなく、かといって葬儀で着る喪服でもありません。その中間にある「きちんとした装い」が平服です。
お別れの会・偲ぶ会は葬儀とは異なる場です。会場はホテルやレストランが大半で、同じ時間帯に結婚披露宴が催されていることもあります。喪服姿での来館を控えていただくよう求めるホテルもあるため、主催者は「平服で」とご案内しているのです。
お別れの会の平服には、実はたった一つの明確なルールがあります。
「喪服」と「黒色ネクタイ」を着用しないこと。
この一点さえ守れば、業界や職種によって服装の幅は広く、必要以上に堅く考える必要はありません。お別れの会は新しい送別文化であり、葬儀のような厳格なドレスコードは存在しないのです。

具体的なアイテム選びの前に、まず全体像を押さえましょう。
紺・ダークグレーなど落ち着いた色のスーツに、白シャツと控えめなネクタイが基本です。ネクタイの色は紺かグレーが最も無難です。IT業界など普段からノーネクタイが慣習の業界であれば、ジャケット着用のうえノーネクタイでも問題ありません。
紺・グレーなど落ち着いた色のワンピース、スーツ、アンサンブルが基本です。パールのネックレスなどシンプルなアクセサリーは問題ありません。白のワンピースにパールという装いで参会される方もいらっしゃいます。お別れの会の会場は和やかな雰囲気になりますので、必ずしも暗い色だけにこだわる必要はありません。
制服がある場合は学校の制服が最も無難です。制服がない場合は、黒・白・紺など落ち着いた色の服を選びましょう。キャラクターものや派手な柄は避けてください。
案内状に「平服でお越しください」と記載する以上、主催者側も喪服でお迎えしないのが原則です。
ご遺族・ご親族は、洋装の場合はスーツ(男性は黒色以外のネクタイ)、和装の場合は黒色帯を避けた装いで臨んでください。参会者と同じ「平服」で揃えることで、会場全体が和やかな雰囲気になります。
→ 主催者側の詳しい服装ガイド:【主催者側の服装】お別れの会偲ぶ会の服装
服装選びに迷う根本的な原因は、弔事の服装に「格」の序列があることを知らないためです。簡単に整理しておきましょう。
| 格式 | 名称 | 着用する場面 |
|---|---|---|
| 最も高い | 正喪服(モーニング、黒紋付羽織袴) | 喪主・遺族が葬儀で着用 |
| 一般的 | 準喪服(ブラックスーツ、ブラックフォーマル) | 葬儀・告別式の一般参列 |
| やや略式 | 略喪服=平服(ダークスーツ、落ち着いた色のワンピース) | お別れの会・偲ぶ会・三回忌以降の法事 |
「平服でお越しください」とは、上の表の最下段「略喪服」でお越しください、という意味です。準喪服(いわゆる喪服)より格を一段下げた装いであり、決して「普段着」ではありません。
この格の序列を理解していれば、「迷ったら少しフォーマル寄りを選ぶ」という判断基準がわかります。カジュアルにしすぎるより、きちんとした服装を選ぶ方が安心です。

会場で目立ってしまう可能性はありますが、マナー違反として叱責されるようなことはありません。ただし、ホテルによっては喪服での来館を控えるよう求められる場合もありますので、案内状の記載に従うことをおすすめします。
偲ぶ会の日程を確認してください。葬儀や四十九日法要と同日開催であれば喪服が基本、別日開催であれば平服で問題ありません。不安な場合は、主催者に直接お問い合わせいただくのが確実です。
お別れの会・偲ぶ会は宗教色のない場ですので、基本的に数珠は不要です。ただし、プログラムに焼香が含まれている場合はお持ちいただくと安心です。
男性はジャケット+ネクタイの着用が望ましいですが、涼しい素材を選べば対応できます。女性は袖丈が肘を隠す程度のワンピースやブラウスを選んでください。季節別の具体的な対策も、本記事内で順に解説していきます。
| テーマ | 記事リンク |
|---|---|
| 参会者側の服装ガイド | 【参会者側の服装】お別れの会偲ぶ会の服装 |
| 主催者側の服装ガイド | 【主催者側の服装】お別れの会偲ぶ会の服装 |
| 偲ぶ会の意味・定義 | 偲ぶ(しのぶ)とは?偲ぶ会の意味・お別れの会との違い |
| 香典・会費のマナー | マナー・香典(FAQ) |
| 献花の作法 | 献花(けんか)とは |

小池 中(Ataru Koike)|エンディングプランナー
家族葬後の「お別れの会」「偲ぶ会」専門のエンディングプランナー。これまで多数の開催相談・実務サポートに携わり、四十九日前後の早期開催から一周忌・三回忌の偲ぶ会まで幅広い時期・規模の事例を経験。
「葬儀の延長ではなく、人生の締めくくりの場を設計する」を理念に、開催時期・形式・費用相場など実務に基づく具体的な判断基準を発信している。
▶ 会社概要・詳細プロフィール
https://www.nextpage.co.jp/corporate/
弊社の実績豊富なフェアウェルプランナーが親切丁寧にお応えいたします。
費用の概算、おすすめの会場、開催の時期、プログラム、お別れの会・偲ぶ会・社葬の違い…など