エンディングプランナー・小池 中(あたる)です。
「取引先から社葬の案内が届いたが、通常の葬儀と何が違うのかわからない」「『平服でお越しください』とあるが、どんな服装が正解なのか」—そのような疑問を抱えたまま当日を迎えてしまうビジネスパーソンは少なくありません。
社葬は、通常の葬儀とは異なる「企業主催の公式行事」です。参列の作法・服装・香典・弔電・名刺交換には、ビジネスシーンならではのマナーが存在します。
本記事では、取引先の社葬に参列する立場のビジネスパーソンが押さえておくべきマナーを、服装・香典・弔電・名刺の4つの観点から具体的に解説します。「恥ずかしい思いをしたくない」という方にも、事前にひと通り確認していただける内容を目指しています。
目次
結論をお伝えします。社葬と一般葬の最大の違いは「主催者」です。一般葬は遺族が主催しますが、社葬は会社(法人)が主催します。この違いが、参列時のマナーのいくつかの点に影響を与えます。
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比較項目 |
一般葬(遺族主催) |
社葬(会社主催) |
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主催者 |
遺族 |
会社(法人) |
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規模 |
数十名〜数百名(親族・知人中心) |
数百名〜千名超(取引先・関係者含む) |
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香典 |
遺族に渡すのが基本 |
辞退されることが多い |
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服装 |
喪服が基本 |
「平服可」とされることが多い |
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名刺 |
原則不要 |
ビジネス上の参列のため持参が基本 |
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弔電 |
遺族宛に送る |
葬儀委員長宛に送るのが正式 |
社葬は「ビジネスの場」という側面を持ちます。参列者の大半は取引先・同業者・関係機関の方々であり、一般葬よりもフォーマルなビジネスマナーが求められる場面も多くあります。案内状に記載された内容をよく確認した上で参列の準備を整えることをおすすめします。

結論をお伝えします。案内状に「平服でお越しください」と記載がある場合でも、「普段着」ではなく「略礼装(ビジネスフォーマル)」が正解です。社葬における「平服」はカジュアルな服装を意味しません。
社葬の案内状に「平服でお越しください」とある場合、求められているのは以下のような服装です。
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男性 |
女性 |
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スーツ・服 |
ダークスーツ(黒・濃紺・チャコールグレー) |
黒・ダークグレー・濃紺のスーツまたはワンピース |
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シャツ・ブラウス |
白無地のワイシャツ |
白・黒・グレーのブラウス。光沢・透け感のないもの |
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ネクタイ |
黒・ダークグレー(無地またはシンプルなもの) |
ー |
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靴・バッグ |
黒の革靴(光沢過剰なものは避ける) |
黒のパンプスまたはフラット。バッグも黒が基本 |
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アクセサリー |
結婚指輪以外は外すのが無難 |
真珠のネックレス・ピアスのみ可。派手なものは避ける |
案内状に「平服」とある場合でも、喪服(礼服)で参列することは問題ありません。迷った場合は喪服の着用を選択するほうが、マナー上の失礼になりません。「平服でも構わない」という案内は、あくまで参列者への配慮であり、礼服を禁止する趣旨ではありません。
結論をお伝えします。社葬では「香典辞退」と案内されるケースが多くあります。案内状に辞退の旨が記載されている場合は、香典を持参しないことが正しいマナーです。持参することで、受付担当者に余計な対応を強いてしまいます。
案内状に香典辞退の記載がない、または「お気持ちを頂戴いたします」とある場合は持参します。
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参列者の立場 |
目安の金額 |
備考 |
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取引先(会社名義) |
1万〜3万円 |
会社ごとの慣習・関係性に応じて判断 |
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取引先(個人参列) |
5,000円〜1万円 |
社葬の性格上、個人名義は少ない。会社名義と重複しないよう確認 |
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同業者・関係機関 |
5,000円〜1万円 |
業界の慣習に従うことをおすすめします |
香典を辞退されている場合でも、弔意を伝える方法はあります。

結論をお伝えします。社葬への弔電は「葬儀委員長宛」に送るのが正式なマナーです。一般葬のように遺族宛に送ると、受付での処理で手違いが生じることがあります。案内状に記載された宛先・締切を必ず確認してください。
弔電の文面は「①訃報を受けた驚き・哀悼の意」「②故人の功績・人柄への言及(1〜2文)」「③ご遺族・会社へのお見舞いと励まし」の3要素で構成するのが一般的です。
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【弔電文例】 このたびの○○様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。 ○○様には長年にわたり格別のご指導・ご厚情を賜り、深く感謝申し上げております。 ご遺族の皆様のご悲嘆はいかばかりかと拝察申し上げます。 ○○様のご遺志を受け継ぎ、貴社がさらなる発展を遂げられますよう心よりお祈り申し上げます。 |
参列する場合でも弔電を送ることは可能であり、失礼にはあたりません。参列者が多い大規模社葬では、弔電として正式に記録・紹介されることで、自社からの弔意がより明確に伝わります。ただし、案内状に「参列者は弔電不要」とある場合は従ってください。

結論をお伝えします。社葬は「ビジネスの場」でもあるため、名刺は必ず持参してください。受付での記帳・他の参列者との挨拶の際に名刺が求められる場面があります。ただし、名刺交換の作法には通常のビジネスシーンと異なる点があります。
社葬の会場内では、名刺交換は最小限にとどめることが基本です。式典中・献花・焼香の前後での名刺交換は不謹慎にあたります。名刺交換が必要な場合は、受付後の待機時間または会食の場を選んで行うのが適切です。
結論をお伝えします。社葬は企業主催の公式行事です。ビジネスマナーとしての礼儀正しさを意識しながら、以下のポイントを心がけてください。
社葬は「会社が主催する公式な行事」です。通常の葬儀と異なる点を押さえた上で、服装・香典・弔電・名刺の4点を中心にマナーを整えることが大切です。
「平服でお越しください」はカジュアル服装の許可ではなく略礼装を意味します。香典は案内状の記載を確認し、辞退の場合は持参しません。弔電は葬儀委員長宛が基本で、名刺は持参した上で式典中の交換は控えるのがマナーです。
「参列のマナーが不安」「社葬の案内状の内容を確認したい」という場合でも、ネクストページのエンディングプランナーにご相談いただけます。参列者向けのご案内から主催者側のサポートまで、幅広くご対応しています。
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「平服」とはカジュアルな服装ではなく、ダークスーツ(黒・濃紺・チャコールグレー)や黒のスーツ・ワンピースといった「略礼装」を指します。光沢のある素材や派手なアクセサリーは避け、色味は抑えてください。迷った場合は喪服(礼服)で参列しても問題ありません。
案内状に香典辞退の記載がある場合は、持参しないのが正しいマナーです。持参してしまうと受付担当者の対応が煩雑になり、主催者側に負担をかけてしまいます。弔意を伝えたい場合は、供花・弔電・丁寧な挨拶という形でお気持ちをお伝えください。
社葬への弔電は「葬儀委員長 ○○○○様」宛が正式です。一般葬のように遺族宛に送ると受付での処理で混乱が生じる場合があります。案内状に宛先の指定がある場合は必ずそちらに従ってください。送付先は開催会場(ホテル・葬儀場)となります。
社葬はビジネスの場でもあるため、名刺は必ず持参してください。受付での記帳に代えて名刺を提出するよう求められる場合があります。ただし、式典中・献花・焼香の前後での名刺交換は慎み、会食や受付後の待機時間を活用するのが適切なマナーです。
欠席する場合は、弔電を送るのが基本です。弔電は参列できない旨を補う意味合いがあり、送ることで誠意が伝わります。また、後日お悔やみの手紙や供花を送ることも適切な対応です。欠席連絡は、出欠の返信期限までに案内状に記載された方法でお伝えください。

小池 中(Ataru Koike)|エンディングプランナー
社葬・お別れの会・偲ぶ会専門のエンディングプランナー。取引先・社員・遺族それぞれの立場からのマナー相談に対応してきた経験をもとに、ビジネスシーンにおける社葬マナーを実務ベースで発信している。「誰もが適切なマナーで故人を送り出せる場」の実現を目指している。
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