エンディングプランナー・小池 中(あたる)です。
「大きな会は開けないけれど、仲のよかった友人だけで、もう一度みんなで集まりたい」――そんなお気持ちで偲ぶ会の準備を考え始めた方は、意外なほど多くいらっしゃいます。
告別式で十分にお別れができなかった。家族葬だったので参列できなかった。そんな思いを抱えたまま日常に戻ることの難しさを、私はプランナーとして多くの場面で目にしてきました。友人同士で集まり、故人の思い出を語り合う偲ぶ会は、そうした「弔いの未完了感」を解消するための、とても大切な場です。
この記事では、友人主催・少人数での偲ぶ会に絞って、準備の順番・会場の選び方・費用の目安・当日の進行まで、具体的にお伝えします。「何から始めればいいかわからない」という方に、迷わず動き出せる道筋をお届けできれば幸いです。
目次
友人主催の偲ぶ会は、遺族や法人が主催する「お別れの会」とは異なり、故人と親しかった仲間が自発的に集まる、カジュアルで温かみのある場です。会の規模も10〜30名程度が主流で、レストランの個室や居酒屋の宴会場でも十分に開催できます。
「お別れの会」は、他界後2週間〜2ヶ月以内にホテルやセレモニーホールで行われることが多く、献花・追悼スピーチ・黙祷といったフォーマルなセレモニーが中心です。一方で「偲ぶ会」は、ある程度の時間が経過してから、故人を語り合うことを目的として開かれるケースが多く、宗教的な儀礼や厳格なドレスコードは必要ありません。
エンディングプランナーとして多くの相談を受けてきた経験からいえば、友人同士での偲ぶ会は「一周忌の頃に気の合う仲間だけで集まって、おいしいものを食べながら故人を語りたい」というシンプルな動機から生まれることがほとんどです。形式より、そこに集まる人たちの気持ちを大切にしていただきたい会です。
※偲ぶ会とお別れの会の詳しい違い はこちらの「お別れの会・偲ぶ会の費用・服装・準備など全知識まとめ」記事も参考にしてみてください。

準備を始めると「決めなければならないことが多い」と感じて、一歩目が踏み出せないことがあります。でも、最初に必要なのはたった3つです。これだけ決まれば、あとは順番に動き出せます。
偲ぶ会に決まった開催時期はありません。他界後1ヶ月〜1年以内が一般的ですが、一周忌や命日のタイミングに合わせて開かれることも多くあります。大切なのは、「参加したい人たちが集まれる時期」を優先することです。
友人主催の場合、仕事や家庭の都合がある方が多いため、土曜・日曜の正午前後にスタートの設定が集まりやすい傾向があります。プランナーとして多くの会に携わってきた中で、平日開催で参加率が下がったというご報告を何度もいただいてきましたので、この点は強くおすすめしたいポイントです。
友人主催の偲ぶ会で最初に難しいと感じるのが「誰まで呼ぶか」の線引きです。遺族の意向や、故人が生前に親しくしていた方々の範囲を考慮しながら、「参加者全員が顔見知りである」くらいの規模にとどめると、場の温度感が保ちやすくなります。
また、遺族に事前に連絡を取ることをおすすめします。「友人だけで集まる場を設けたい」とご報告するだけで、遺族の方が安心されるケースが多く、場合によっては遺影や思い出の写真を提供していただけることもあります。
「偲ぶ食事会」として純粋に故人の思い出を語り合うのか、スライドショーを上映するのか、スピーチを組み込むのか。会の性格が決まれば、会場・予算・進行台本も自然と絞り込まれていきます。
少人数の場合は、セレモニーよりも「食事と歓談」を中心にした形式が場の雰囲気に合いやすいです。遺影と花を飾ったメモリアルコーナーを設けて、参加者が自由に手を合わせる形が多くなっています。
10〜30名程度の少人数の偲ぶ会では、大きなセレモニーホールやホテル宴会場は不要です。会場選びのポイントを、会場タイプ別に整理しました。
食事の手配・スタッフの対応・雰囲気の演出まで一括でお任せできるのが、レストランです。30名規模なら個室を貸し切ることができ、食事を囲みながら自然と会話が生まれます。スライドショーを流したい場合は、モニターの有無を事前に確認しておきましょう。
カジュアルな雰囲気を重視する場合や、費用を抑えたい場合は居酒屋も選択肢になります。ただし、隣室の騒音が気になる場合があるため、仕切りがしっかりした部屋を選ぶことをおすすめします。
写真展示や映像上映を重視する場合、貸しスペースやギャラリーを借りて、飲食はケータリングで手配する方法があります。自由度が高い一方で、飲食・音響・席の設営などをすべて主催者が手配する必要があります。
※会場の詳しい選び方 「東京・横浜でお別れの会ができる会場の選び方」

友人主催の偲ぶ会でよくいただく相談のひとつが「会費をいくらに設定すればよいか」というご質問です。会費を取ることに抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、家族葬が主流になった現在、参加者の多くは「葬儀で香典を渡す機会がなかった」という気持ちを持っています。会費の設定は、その代わりとしても自然に受け入れられます。
基本となる考え方は「飲食代÷参加人数+α」です。
→ 一般的な少人数偲ぶ会の会費目安:5,000〜15,000円程度
受付で白封筒に入れていただくか、当日現金でお受け取りするのが一般的です。のし袋は不要ですが、「会費」と明記した封筒を用意すると、参加者が迷わずに済みます。事前にLINEや案内状で金額をお伝えしておくと、当日の受付がスムーズです。
※費用全般の詳しい解説「【保存版】お別れの会の費用相場と会費制の仕組み」
少人数の偲ぶ会の場合、セレモニーよりも「食事・歓談・スピーチ」を中心に据えたプログラムが自然な流れです。A4用紙1枚分の簡単な台本さえあれば、司会者を外部から呼ばなくても主催者が進行できます。
|
時間 |
内容 |
備考 |
|
10:00 |
集合・受付 |
遺影とメモリアルコーナーを入口付近に設置 |
|
12:00 |
主催者挨拶・献杯 |
故人との縁・集まりの趣旨を2〜3分で |
|
12:10 |
食事・歓談(スライドショー流し放し) |
自由に思い出を語り合う時間 |
|
12:30 |
思い出スピーチ(2〜3名・自由参加) |
1人3分程度。事前に依頼しておくと安心 |
|
13:50 |
締めの言葉・集合写真(任意) |
主催者から感謝の挨拶 |
|
14:00 |
散会 |
お土産・返礼品のお渡しは出口付近で |
台本といっても、読み上げる文章をすべて書く必要はありません。「○○時:主催者挨拶(故人との縁、今日集まった理由)」「○○時:献杯の発声(○○さんにお願い)」という箇条書きのメモで十分です。
思い出スピーチの依頼は、必ず事前に個別にお声がけください。「何を話してほしいか(時間・テーマ)」を事前に伝えることで、当日の内容が充実します。その場でいきなり指名するのは参加者への負担が大きいため、おすすめしません。
食事中にBGMとしてゆるやかに流す形が、少人数の偲ぶ会には合っています。スライドショーはスマートフォンのアプリ(Google フォト・iMovie・Canvaなど)を使えば、写真と音楽を組み合わせて比較的簡単に作成できます。モニターやプロジェクターが会場にない場合は、ノートパソコンやタブレットで流す方法もあります。
エンディングプランナーとして現場で感じていることですが、スライドショーが流れ始めた瞬間に場の雰囲気が一気に変わります。参加者が「そうだ、こんな人だったね」と声に出して言い始める、あの瞬間が、偲ぶ会の核心だと思っています。

友人主催の偲ぶ会では、LINEやメールでの案内が一般的です。ただし、故人と年配の方が多い場合は郵便での案内状のほうが喜ばれることもあります。どちらの場合も、以下の6点を必ず伝えてください。
案内の発送は開催3〜4週間前を目安にし、出欠確定は2週間前を締め切りに設定すると、飲食の手配に余裕が生まれます。
|
準備項目 |
ポイント |
|
開催日・時間の決定 |
他界後1ヶ月〜1年以内が目安。参加者の都合を考え週末の昼が集まりやすい |
|
会場の予約 |
レストラン個室 or 貸し会議室。10〜20名なら個室がおすすめ |
|
案内の送付 |
開催3〜4週間前に連絡。LINE/メール/郵便のいずれか |
|
出欠の確認と人数確定 |
2週間前を目安に締め切り。飲食手配の無駄を防ぐため |
|
会費の設定 |
飲食代÷参加人数を基本に、花代・会場費を加算 |
|
遺影・写真の準備 |
L判以上のお写真1枚と、思い出の写真を複数枚 |
|
スライドショー(任意) |
スマートフォンで作成できるアプリを活用する方法もあり |
|
思い出スピーチの依頼 |
事前に内容・時間・マイクの有無を共有 |
|
返礼品・お土産の用意(任意) |
お菓子・ハンカチなど1,000〜2,000円程度 |
|
当日の進行台本作成 |
A4用紙1枚分の簡単な台本で十分 |
友人主催の偲ぶ会で最も多い失敗パターンは、「幹事一人に準備が集中してしまう」ことです。気がつくと連絡・手配・当日の準備をすべて一人でこなすことになり、開催日が近づくにつれて疲弊してしまう、という経験をされた方はいらっしゃいませんか。
おすすめしたいのは、「役割分担を最初に決める」ことです。連絡係・お金の管理係・当日の司会・スライドショー担当、といった形で得意なことを分担できると、準備が格段に楽になります。
また、準備の規模感や会場の選定に迷った場合は、プロへの相談という選択肢もあります。「少人数だからプロに頼むのは大げさかな」と感じる方もいらっしゃいますが、初めての経験でわからないことをひとつ確認するだけでも、準備がスムーズに進みます。
友人だけで行う偲ぶ会は、形式やしきたりよりも「参加した人がよかったと思える場にする」ことが本質です。この記事でお伝えしたポイントを整理します。
「この記事で偲ぶ会を開く一歩を踏み出せた」という方が一人でも増えれば、プランナーとしてこれ以上嬉しいことはありません。もし途中でわからないことが出てきたときは、ご遠慮なくご相談いただければと思います。まずはお気軽にお問い合わせください
▶ 無料相談・お問い合わせはこちら
▶ お別れの会・偲ぶ会の費用・服装・準備など全知識まとめはこちら

法律上の義務はありませんが、事前に遺族へお知らせすることを強くおすすめします。「友人で集まって故人を偲ぶ会を開きたい」と一言伝えるだけで、遺族の方が安心されます。場合によっては遺影や写真を提供していただけることもあり、会がより豊かなものになります。
友人主催の少人数偲ぶ会では、黒や紺などのシックな平服が一般的です。喪服・黒ネクタイは会の雰囲気を重たくしてしまう場合があるため、おすすめしません。案内状に「平服でお越しください」と明記すると、参加者が迷わずに済みます。
※服装の詳しいマナー → お別れの会・偲ぶ会の服装マナー|平服でお越しくださいの正解を男女別に解説(C1-2)
友人主催の偲ぶ会では、会費制が一般的で香典の受け取りは必須ではありません。ただし「香典を持参したい」という参加者には、会費とは別にお受け取りすることもできます。遺族に確認の上、方針を案内状に明記しておくとトラブルになりません。
※香典のマナー詳細 → 香典・供花・弔電のマナーまとめ(C1-3)
もちろん成立します。5〜10名のごく小規模な偲ぶ会でも、遺影と花、食事と会話があれば十分です。規模が小さいほど、一人ひとりが故人との思い出をゆっくり話せる時間が生まれます。人数の多い少ないより「集まった人たちの気持ち」が大切です。
開催1ヶ月前から準備を始めれば、余裕を持って進められます。会場予約→案内送付(3〜4週間前)→出欠確定(2週間前)→当日準備という順番が一般的です。スライドショーを作成する場合は、写真の収集から完成まで1〜2週間みておくと安心です。

小池 中(Ataru Koike)|エンディングプランナー
家族葬後の「お別れの会」「偲ぶ会」専門のエンディングプランナー。これまで多数の開催相談・実務サポートに携わり、ホテル開催・レストラン開催・友人主催の小規模会まで幅広い事例を経験。
「葬儀の延長ではなく、人生の締めくくりの場を設計する」を理念に、費用相場・服装マナー・進行設計など、実務に基づく具体的な判断基準を発信している。
▶ 会社概要・詳細プロフィール
https://www.nextpage.co.jp/corporate/
弊社の実績豊富なフェアウェルプランナーが親切丁寧にお応えいたします。
費用の概算、おすすめの会場、開催の時期、プログラム、お別れの会・偲ぶ会・社葬の違い…など